Think a Small thing

昨今、海洋プラスチックとか、マイクロプラスチックなんて言葉を耳にする機会が多くなった。
なんでもプラスチックゴミのゴミが紫外線などで劣化し、マイクロメートル単位にまで小さくなったものを言うらしい。
それを魚や鳥が餌と間違えて飲み込んでしまい死に至らしめたり、環境への影響が大きく懸念される問題へと発展している。
分解されないまでも、レジ袋のようなゴミは、海の生物にとっては「クラゲ」のように見え、海亀などはそれをそのまま捕食してしまうそうだ。

プラスチックと言うが、ここで問題視されているのは、広い意味でのプラスチック、いわゆる合成樹脂全般の事と認識している。
合成樹脂は強度に加え、加工のしやすさやコストの面で、我々の生活の中でありとあらゆるところに使われている。
仮に合成樹脂が無かったとしたら、今の人間の生活は成り立たないと言っても過言ではない。

150年前の合成樹脂の誕生から、文明は驚異的なスピードで発展してきた。
特に50年前のエンプラの登場以降は、それまでの金属、木工製品が、プラスチック製品に置き換わった。
経済成長の中、様々な発明品が登場し、私たちの生活を豊かにしたが、これもプラスチックをはじめとする合成樹脂がなければ成り立たない物も多いだろう。
プラスチックの利便性に享受してきた現代人にとって、環境に悪影響を与えているからと言って、簡単に今更、法律や精度で使用を禁止するようなこともできないだろう。この問題に限らず、人間という生き物は、知ってしまったが故に、使わずにはいられないのだ。

人間が存在しなければ、この世に存在する環境問題の多くは生まれなかった。
科学の発展は、多くの問題を解決してきたが、同時に新たな問題を引き起こしてきた。これからも未知の問題を生み出していくだろう。
これは、アダムが知恵の実を食べてしまった時からの性である。

ダニエル・キイスのSF小説「アルジャーノンに花束を」には、外科的な処置で知能が高くなった白いハツカネズミの「アルジャーノン」が登場する。
可愛らしかったアルジャーノンは、知能が高くなったが故に、自分の置かれた環境にストレスを覚えはじめ、遂には人の指を噛むという行動に出る。
彼にとっては、実験動物という境遇を知らなかったほうが、ネズミとして幸せなままに一生を終えられたのだろう。
人間も、「知ること」をやめ、自然のバランスに身を任せたほうが、実はストレスの無い幸せな世界になるのかも知れないが、それが正しい選択ではないとは思う。

少なくても科学技術の発展そのものには、善も悪もない。
どんなに知能が発達しても、人類が身勝手で傲慢な振る舞いを続けているからには、僕らはいつまでも普通のネズミにさえ笑われる存在のままだろう。

近い将来、地球という楽園から追放されないようにするために、人は今こそ正しい選択を考えなければならない時期に来ている。

2020-01-02 | Posted in ILLUSTRATIONNo Comments » 

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