faraway place 1969, HUAWEI place 2069.

50年前の今日、日本時間7月21日の早朝。人類は初めて月に降り立った。
世界中の人間が、一人の人間の足跡に感動し、来たるべく「未来」に期待し、そして湧いた。

その時、僕は10ヶ月。恐らくはまだ立ち上がる事も出来ない赤ん坊だった筈で何も覚えちゃいないが、昭和40年代育ちの子供達にとって、このアポロ11号の偉業は自分達の将来が輝かしい世界になるという、ひとつの確かな指標になったのは間違いない。

その足跡を刻む1年前には映画「2001年宇宙の旅」の公開もあり、高度経済の中で目覚ましい進歩を遂げていく科学技術の発展は、その夢を現実へと昇華させるには十分な勢いもあったと思う。恐らく、僕を含めた多くの当時の子供たちは、本気で「2001年には宇宙ステーションが完成している」と思っていた筈だろう。

しかし、あれから50年。1972年のアポロ17号の月面着陸を最後に、月には誰も行ってはいないし、宇宙旅行でさえ今だに気軽にできるようなものではない。
「月」は相変わらず「遠い土地」で現実なのに現実とはかけ離れた世界である。
そして今、人類は月という遠い場所よりも、「ネット」という現実ではない仮想の世界の方が身近な存在になっている。

もう、月への憧れは遠い過去のものとなっていた今年の春、長い年月を経て再び月への距離がちょっとだけ縮まる出来事があった。中国の無人探査車による「月の裏側」への着陸である。
宇宙開発といえば、これまでアメリカかロシアの独壇場であったが、中国はその豊富な資金力を背景に急速にロケット開発を進め、無人のロボットとはいえ月着陸を成功させたのである。

50年前のアメリカもそうだったが、表向きの「宇宙開発」は国家の威厳を誇示するのに利用される。中国にとって、アメリカを抜き、中心国家として人類に認めさせるには「月着陸」は格好の材料なのである。

そうはさせるかと、アメリカもここに来てようやく「月計画」を再開させてはいるが、民間に頼る計画では、国家規模の資金力で進める中国には追いつけないだろう。中国だけではない、インドも急速に宇宙開発を進めている。仮にアメリカが本気で取り組んでも、もはや時間が経ち過ぎて、かつての貴重な経験は生かせないだろう。

今や最新科学技術立国となった中国。軍事的にも世界の覇者にならんとする中国はアメリカにとっては、友人にはなりきれない、鼻持ちならない奴でしかない。

確かに中国は、他国の技術を合法、非合法含め吸収して急激に発展してきた。50年前の中国からは想像もできないほどの発展ぶりだ。もはや誰が野次を飛ばそうが中国の発展はおいそれとは止められないだろう。

「華為(ファーウェイ)」のスパイ疑惑から、中国への制裁をしようとアメリカが中心になって推し進めたところで、何も変わりはしない。相変わらずHUAWEIのスマホは売り上げ1位をキープしている。

トランプは、アメリカファーストというスローガンを掲げてきたが、中国は随分と前から友愛とは無縁の「(中)華の為」に動いてきた。
我々が気付いた頃には、中国は、追いつく事のできない遥か遠くの存在になってしまうだろう。これから先50年。世界の、いや宇宙の中心が「中国」になっていくのかも知れない。

2019-07-21 | Posted in ILLUSTRATIONNo Comments » 

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