BEAUTIFUL COAST IN JAPAN

震災から5年目を迎えた。
この5年間の間に何台もの重機が入り、道も区画も整備され、外部の人間からすると震災からの復興計画もだいぶ進んでいるように見える。
人工地盤による高台造成や、高さ15m総延長400KMにも及ぶ防潮堤。
莫大な復興予算の大半をつぎ込んで、急ピッチに進むその工事は、まるで魔法のように三陸の街を作り変えている。

しかし、これが被災した人たちが望んでいた未来の三陸の姿なのだろうか?

三陸は、日本が世界に誇れるリアス式海岸でもあり、古くから漁業が盛んで、人々は海と密接につながって生きてきた。
眼前に広がる海は、多くの三陸に住む人々にとって生まれた時からそこにあり、心の拠り所にもなっていたはずだ。

津波で大事な人を多く失った。
悲しみも相当に深い。心の病になってしまった人も多い。

しかし、だからと言って三陸の景観や自然と決別するのが正しいことなのだろうか?
高台での暮らしは、ますます高齢者の多くなるこれからの時代、そこに住む人にとって日常的な不便さをもたらすことは間違いない。
防潮堤にしても、海岸地域の東側にそびえる壁は、1000年に一度の津波こそ防げたとしても、毎日見てきた三陸の美しい景観をすっかり覆い隠してしまった。

災害に強い要塞のような壁の街は、観光地としての魅力も半減するだろうし、本当の復興である地元経済の再生という目的にも大きな壁となって、今後立ちはだかるだろう。

復興事業という名の下に、潤って息を吹き返したのは大手ゼネコン企業だけなどというお粗末な結果にならないようにだけはしてもらいたい。
©BAKAORU

2016-03-10 | Posted in ILLUSTRATIONNo Comments » 

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