おもいこみ。

20150707

高校3年生。お年ごろの娘の朝食とお弁当作りは、僕の毎朝の日課だ。
今週は定期考査が終わり、お弁当作りからは開放されているが、それでも朝ご飯は適当に何かしら作らなきゃならない。

このところ、長雨のせいか体の調子がいまいち芳しくなく、朝の僕は半分布団に足を突っ込んだように惚けぼけ。

今朝もそんな状態。
でも、娘のために作らなきゃと台所に立ち、粉と卵と牛乳をマゼマゼする。パンケーキは小学生のころから続くわが家の定番の朝食。
テーブルに出すときには、これに砂糖多めのミルクコーヒーを添えている。

ワンパターンのメニューだけど、とりあえず娘は文句を言わず食べてくれるので、今日みたいに頭が動かない朝は、お決まりのパンケーキになりがち。簡単だし、おいしいし、僕も好きな朝食だ。

バターの香りが漂い、フライパンもいい頃合い。
生地を流して、弱火で蓋をする。プツプツと表面に浮かんだ気泡が少し固まったら、ひっくり返す。ほら、ムラのない美しい焦げ茶色。いつも通り完璧な仕上がりだ。

7時20分。2階がドタゴソ慌ただしくなって、娘が降りてきた。

「おはようぅ」と言って、いつもの席に座る。
「はい、どうぞ、」と完璧な仕上がりのパンケーキを差し出す。
娘は、NHKを見ながら、メイプルシロップをかけて黙々と食べ出す。

そんな、娘の前に僕も座り、余った生地で作った小さめのパンケーキを食べ始めた。
『・・・・・!』

娘に、恐る恐る問いかける。
「あれ、なんかしょっぱくない?」

それまで黙々食べていた娘の手が止まり、頬筋がうわずる。
そして、甘いメープルシロップのかかったところを端に寄せてから、こう言った。

「パパ、、おこのみソースもってきて。」

甘くてしっとりなパンケーキ。
気付いた瞬間に、それは具なしのお好み焼きに変わった。

すっかり、目が覚めた僕は、冷蔵庫のドアを開けて、娘に一応確認した。
「青のりとマヨネーズはどうする?」

2015-07-08 | Posted in RAKUGAKI ESSAYNo Comments » 

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