MAY I HELP YOU

いろいろなイラストレーターの作品を見ることは、いいことである。
刺激を受けて「あぁ、こんな絵を描いてみたいな」と思って実験的に描き始めるが、この歳になると、もううまくいくはずもない。

自分の中で一番面白いなと思うものが出来上がっていて、人の作品に感動してマネしても、結局は自分のスタイルが一番自分に合ってるしオモシロイと思えてしまうのだ。
独りよがりな作風は駄目だとおっしゃるのは理屈では理解できるが、個性無くしてなにが絵描きなのだろう。

ご批判もあると思うが、僕はアカデミックな技法やデッサンは学校で教えてはいけないと思っている。
よくピカソやブラックもデッサンを沢山描いてきたから、あのような作品が描けるんだとか言う人がいるが、そういう方々の意見は全く無視していいと思う。

ピカソが描いた絵よりも、家の娘が2歳の時に描いた絵の方が、素直で分かりやすくインパクトがある。
なまじデッサンや解剖学を学ぶと、頭の中で理屈を組み立てて、描いてしまうので、出来上がるのは「うまい」けど「おもしろくない」絵でしかない。
折角持って生まれた感性を、デッサンは奪って画一化していってしまう。これは、絵描きにとっては苦しみの始まりでしかない。
一度身に付いてしまった概念から、自分を解き放つのは、人によってはだがとても苦労する。

無垢な子供のように、感情のままに素直に描くことこそが、絵の本質。
そこまで、立ち戻るには大人になってからだと、なかなか辛い。

画面構成がとか、構図とかは二の次。
そういうものは、美意識があればおのずと付いてくる。

何も考えずに筆を持って描けば、自然とその人の深層意識のことばが絵に表れる。
イラストレーターというのは、あるお題を与えられて絵を描く仕事だが、お題を与えられてそのまま描くというのは、全く精神衛生上よろしくない。
お題を良く考え、意識の中に取り込みつつ、考え、悩み、どうもうまくいかなくって、結局諦めて、ふと忘れかけた頃に描き始めたほうが、まとまったりするものだ。

だから、僕は絵を描くというときは、ほぼ何も考えない。
考えたところで、自分の気に入った絵にはならないからだ。

自然体で、素直に描いて、自分が楽しいなと思えないなら、絵を描くことなんて苦痛でしかないのだから。

2017-01-09 | Posted in ILLUSTRATIONComments Closed 

関連記事